F2Lを先読みするというのは難しいことです。今揃えているF2Lを見ずに次F2Lパーツの動きを見たとしても、パーツがあっちいったりこっちいったりで結局どこにいったのかさっぱりわからん、という人は多いと思います。
F2Lパーツの動きを考えるときに、F2Lのパターン同士の繋がりを覚えておくと先読みなどに役に立つことがあります。今回はその考え方を紹介します。
F2L同士の関係性を考えるために、他のパーツをすべて無視してF2Lパーツのみに着目してみます。
例えばこのF2Lパーツを見てみましょう。
コーナーとエッジが正しくペアとしてくっついています。
ここからRを回すとどんな状態に変わるでしょう?
正解はこの形です。3手でスロットインできる桂馬型に変わりました。
では先程の状態から今度はR’を回すとどうなりますか?
このように、エッジだけU面に出ていてコーナーはD面に置かれている状態に変わりますね。
つまり、この2パターンは最初のペア状態のF2Lから1手で変換可能である、ということです。
F2Lというのは実は相互に関係しあっていて、状態を変えながら最終的にコーナーとエッジがくっついた状態となりスロットインされるのです。
もう一つ例を見せましょう。
エッジとコーナーがくっついていてU面が同色、コーナーのD面色が手前を向いているF2Lです。
ここからRをするとこうなります。
桂馬型でコーナーのD面色が上を向いているF2L。
また、R’をすると以下のようにコーナーがD面にCOの合った状態で位置され、エッジはU面に残ったままのF2Lになります。
そしてF’をすると、以下のようにエッジが中段でコーナーがU面、D面色が横を向いているF2Lに変化しますね。
これらも同じように、1手で変換可能なF2L状態というわけです。
この考えをF2Lの先読みにも応用してみましょう。
スクランブル: R U R' U' R' U' R2 U' R' U
R' U RでBRスロットが入る状態で、次のF2LパーツがUFとUBRにあります。
R' U Rの動きで次のF2Lパーツがどう変化するのか見ていきましょう。
結論から言うとこのように動きます。
→→→
まず、R’の動きでコーナーとエッジがくっつきますね。U面同色でコーナーのD面色がF面を向くF2L。この関係性は先ほど紹介したF2Lの関係性そのものです。
次のUではこのくっついたF2Lが左に動きます、がF2Lの状態そのものは全く変わっていません。
さらに最後のRではこのF2Lパーツが動いてすらいません。
つまり、このR' U Rの動きによってUFとUBRにあったF2Lパーツは、1手分のみ状態が変化した、と言えるでしょう。
このように、F2Lパーツを1手動かしたときの状態を覚えておくということは先読みに大きな利点をもたらします。
ある意味、このF2L同士の関係性というものこそがF2Lの概念そのものである、といってもいいかもしれません。
F2Lの状態は相互に関係しあっており多分樹形図やグラフで表すことができるかと思いますが、これの意味するところとして、F2Lの状態と状態には近いまたは遠いというF2L間の距離が定義できることを意味します。前のF2Lの動きによって次のF2Lはその状態に近いF2Lに変化することが多く、距離の遠いF2Lに変化することは少ない、ということです。
こんな感じでF2Lは相互に関係しあっており、関係性のグラフを頭の中に持っておくことでF2Lパーツがある操作によってどう動くかが頭の中で追いやすくなるのではないかと思います。
あさと君もブログで言っていましたが、スピードキューブは1手ごとに考える価値があります。1手ごとの関係性を頭に入れてこそ正確な先読みができることでしょう。